付加価値(ふかかち)とは、ある「もの」が有している価値と、それを生み出す元となった「もの」の価値との差のことである。一般的に、何らかの「もの」を使って新しい「もの」を生み出すと、元々の「もの」より高価値な「もの」となる。このようにして高価値となることについて「価値が付加される」という意味合いで、「付加価値」と呼ばれる。
付加価値という用語は、さまざまな分野をまたがって使用される用語であり、具体的な用法について各分野によって若干の違いがある。
経済における付加価値は、企業などの生産者が生産活動によって作り出した生産額から、その企業などの生産者が購入した原材料や燃料などの中間投入物を差し引いたものを表わすものとされることが多い。賃金、利潤、利子、地代、家賃などに分かれる。 各生産段階で付加された付加価値の合計は、最終生産財の価格に等しい。
マルクス経済学の労働価値説では、価値の源泉は投下された労働である。価値を生む特殊な使用価値は労働力だが、労働力商品の価値は再生産に必要な労働量によって規定される。労賃は労働力の再生産費によって規定される。ところが労働力は自己の再生産に必要な労働量(必要労働)以上に労働できるから、対価なしの労働(不払労働)部分は資本家の取り分となる。これを剰余価値という。
近代経済学では、労働力も土地や建物や機械などの生産手段も、共に生産に必要な生産要素であり、区別されない。生産された付加価値は、各々の限界生産力に従って賃金、利潤、・・・等に配分される。(生産関数が規模に関して収穫不変であれば、オイラーの定理によって、限界生産力に比例した配分により配分しつくされることが保証される。)
工学における付加価値は、何らかの工程に基づいて、使用者にとって前より優れていることを表わすことが多い。例えば風力発電や太陽光発電においては、風や光から電気が生成される。このような時、発電という工程によって、電気を使用する者にとっては、自然現象に対して付加価値が加えられたと考える。
上記以外において一般的に付加価値という言葉が使われる場合、前述の経済や工業における付加価値とは違う、独自の価値やサービスが付随するケースを指すことが多い。 例えば、提供する労働力が賃金としての対価だけを求めて働いている人ばかりではなく、労働の達成感を得ればそれは、労働力を提供する側の付加価値であり、受けた側が金銭的価値以上の満足感を得れば、それが需要者の付加価値と言える。 しかし、その場限りのものではなく、連続性がなければならない。
サービス(英: service)は、経済用語において、売買した後にモノが残らず、効用や満足などを提供する、形のない財のことである。第三次産業が取り扱う商品である。法令用語では、役務(えきむ)[1]ともいう。
以下では特に断り書きがない限り、日本での事例について述べる。
- 同時性
- 売り買いした後にモノが残らず、生産と同時に消費されていく。
- 不均質性
- 品質は一定ではない。
- 非有形性
- 触ることができない、はっきりとした形がないため、商品を購入前に見たり試したりすることが不可能。
- 消滅性
- 形のないものゆえ、在庫にすることが不可能である。
以上の性質が全てに当てはまるわけではない。
例えば、エンターテイメント産業(音楽、映像など)において、ライブパフォーマンス以外は同時性、不可分性を満たさない。
修理、メンテナンス、クリーニングなどでは品質が標準化されることがある。
情報産業ではサービスを形にして在庫にすることができる。
所有権の移転を伴うものは財、そうでないものはサービスとして区別することができる。たとえば海外旅行などで飛行機に乗るときには、飛行機を財として購入するのでなく、サービスとして利用していることになる。
第一次産業(だいいちじさんぎょう、Primary sector of industry)は、コーリン・クラークによる古典的な産業分類の一つ。
第三次産業には、第一次産業にも第二次産業にも分類されない産業が分類される。クラークによれば小売業やサービス業などの無形財がこれに該当する。これらの産業は商品やサービスを分配することで富を創造することに特色がある。
クラークは、経済発展につれて第一次産業から第二次産業、第三次産業へと産業がシフトしていくことを提示したが、クラークのいう第三次産業には単純労働も含まれており、後進的な産業が先進的な産業と同じ扱いになっているという批判がある。また、第三次産業は、公益事業のような資本集約的な産業も、飲食業のような労働集約的な産業も、教育のような知識集約的な産業も含むという雑多な産業の集合体であり、雑多な産業を単一のくくりで単純化することについても批判がある。この点に関しては、情報通信業などの情報や知識を取り扱う産業を第四次産業あるいは第五次産業として捉えなおす考え方も提唱されている。
財(ざい)は物質的・精神的に何らかの効用を持っているもののことである。
また、そのようなものの中で有形ものを財、無形なものをサービスと呼び、財とサービスと表現する場合もある。
ある財の需要に比べその財に対する供給が無限にないとき財は希少であるとされる。このような財を経済財と呼び、経済学(特にミクロ経済学)の分野で議論される。逆に需要よりもはるかに多くほぼ無限の供給が存在する場合は、このような財は価格を持たない。これを自由財という。空気は人間の生存にとって不可欠のもので、巨大な効用をもつが、希少性がないので市場取引の対象とはならず、自由財の典型とされる。
経済財と自由財 [編集]
- 自由財
- 希少性がなく、需要よりも供給が遙かに上回っており、すなわち価格を有しない財。
私的財と公共財 [編集]
- 公共財
- あるいは所有権が私有か公有かの違い。
投資財と消費財 [編集]
代替財と補完財 [編集]
上級財と下級財 [編集]
- 劣等財(下級財)
- 所得の増加に伴い、需要が減少していく財である。例えばインスタントラーメンは所得が増えるほど他のより高級な食品に代替され、消費が減るので劣等財に含まれると考えられる。品質が劣るという意味はない。
- ギッフェン財
- 下級財の一種で、所得効果が代替効果よりも強く働く。
所有権の移転を伴うものは財、そうでないものはサービスとして区別することができる。たとえば海外旅行などで飛行機に乗るときには、飛行機を財として購入するのでなく、サービスとして利用していることになる。
第一次産業(だいいちじさんぎょう、Primary sector of industry)は、コーリン・クラークによる古典的な産業分類の一つ。
第一次産業には、自然界に働きかけて直接に富を取得する産業が分類される。クラークによれば農業、林業、漁業、鉱業がこれに該当する。水産加工のように天然資源を元に加工して食品を製造する業種は製造業に分類され、第一次産業には含まれない。
クラークは、経済発展につれて第一次産業から第二次産業、第三次産業へと産業がシフトしていくことを提示したが、クラークによる分類では産業内部で生じている構造変化をとらえきれないという弱点がある。例えば、現代では同じ農業をとってみても、開発途上国でみられるような昔ながらの農業もあれば、先進国でみられるような、バイオテクノロジーを駆使しブランドのマネジメントも行うといった第二次産業的、第三次産業的な農業(アグリビジネス)もあり、同じ農業であっても多様化が
現代においては製造業も多様化しており、古典的な第二次産業の枠内に収まりきれない業態も出現している。例えば、アパレル等ファッション関連では、消費者の嗜好の移り変わりが早いので変化を迅速に生産に反映させるために、製造から小売までを一貫して行う業態(製造小売業)[1]が主流となっている。逆に電器産業ではOEMやファウンダリーへの発注などにより、商社化が進んでいる場合もある。また、研究開発などの情報や知識を生産する機能を第四次産業として位置づける考え方も提唱されている。
第三次産業には、第一次産業にも第二次産業にも分類されない産業が分類される。クラークによれば小売業やサービス業などの無形財がこれに該当する。これらの産業は商品やサービスを分配することで富を創造することに特色がある。
クラークは、経済発展につれて第一次産業から第二次産業、第三次産業へと産業がシフトしていくことを提示したが、クラークのいう第三次産業には単純労働も含まれており、後進的な産業が先進的な産業と同じ扱いになっているという批判がある。また、第三次産業は、公益事業のような資本集約的な産業も、飲食業のような労働集約的な産業も、教育のような知識集約的な産業も含むという雑多な産業の集合体であり、雑多な産業を単一のくくりで単純化することについても批判がある。この点に関しては、情報通信業などの情報や知識を取り扱う産業を第四次産業あるいは第五次産業として捉えなおす考え方も提唱されている。
- 大分類F 電気・ガス・熱供給・水道業
- 大分類G 情報通信業
- 大分類H 運輸業、郵便業
- 大分類I 卸売業、小売業
- 大分類J 金融業、保険業
- 大分類K 不動産業、物品賃貸業
- 大分類L 学術研究、専門・技術サービス業
- 大分類M 宿泊業、飲食サービス業
- 大分類N 生活関連サービス業、娯楽業
- 大分類O 教育、学習支援業
- 大分類P 医療、福祉
- 大分類Q 複合サービス事業
- 大分類R サービス業(他に分類されないもの)
- 大分類S 公務(他に分類されるものを除く)
- 大分類T 分類不能の産業
第六次産業(だいろくじさんぎょう)とは、農業や水産業などの第一次産業が食品加工・流通販売にも業務展開している経営形態を表す、今村奈良臣(いまむら ならおみ)が提唱[1]した造語。また、このような経営の多角化を6次産業化と呼ぶ[2]。
農業、水産業は、産業分類では第一次産業に分類され、農畜産物、水産物の生産を行うものとされている。だが、第六次産業は、農畜産物、水産物の生産だけでなく、食品加工(第二次産業)、流通、販売(第三次産業)にも農業者が主体的かつ総合的に関わることによって、加工賃や流通マージンなどの今まで第二次・第三次産業の事業者が得ていた付加価値を、農業者自身が得ることによって農業を活性化させようというものである。
ちなみに第六次産業という名称は、農業本来の第一次産業だけでなく、他の第二次・第三次産業を取り込むことから、第一次産業の1と第二次産業の2、第三次産業の3を足し算すると「6」になることをもじった造語である[1]。
例えば、農業のブランド化、消費者への直接販売、レストランの経営などが挙げられる。 コンセプトやスローガンとしては非常にわかりやすいが、いかにして実践していき、標記の目標を達成するかが最大の課題といえる。
第一次産業に付加価値をつけて高度化を目指すという観点では、1.5次産業化に類似しているが、6次産業は加工、流通を複合化させるという視点がより明確である。
各次の産業の連携による農村の活性化や、農業経営体の経営の多角化のキーワードとして提唱される。
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